なぜ人種差別はなくならない?理由や原因を歴史と共に解説

人種差別は長い歴史を持ち、多くの人々が不当な扱いや苦しみを受け続け、現代社会においても根深い問題として存在しています。差別を受けることで生じる悲しみや怒り、不安などは計り知れません。

今回は人種差別がなくならない原因を深掘りし、歴史的な背景や現代にどのような影響を与えているのかを解説します。また、人種差別をなくすために私たちができる支援の方法についても紹介しています。

人種差別は、ひとりひとりの意識と行動によって変えることができるはずです。まずは、人種差別について知ることから始め、人種差別がなくならない理由について一緒に考えていきましょう。

人種差別はなぜなくならないのか?原因は何か

人種差別がなくならない原因は大きく3つの理由が挙げられます。

教育不足

多くの人は他の人種について正しい知識を持っていないことが多く、人種差別についての教育が十分とは言えない現状にあります。たとえば、日本の教育を挙げると「アメリカの奴隷制度」や「アフリカのアパルトヘイト」などといった世界の歴史的な差別の事例を学習します。しかし、これらは主に事例に対して焦点を当てており、人種差別の問題について深く掘り下げられないことが多いのです。

社会的・経済的な構造

歴史的に差別が制度化されていた国々では、現在もその影響が残っていることがあります。たとえば、雇用や住宅、教育の機会が平等でないことが多く、特定の人種が経済的に不利な立場に置かれています。

このように不平等な扱いが、差別を助長し続けていることに繋がっています。

メディアと文化

メディアやエンターテインメント業界では、時に特定の人種を否定的に表現することがあります。このような表現は視聴者に偏見を与え、差別を助長する原因となります。

また、一部の文化では、他の人種に対する差別的な考え方が伝統的に存在していて、世代を超えて受け継がれているケースもあります。

人種差別の歴史とは?過去の運動や事件

ここでは、人種差別に関わる歴史や過去の代表的な事例を5つ挙げ、それぞれ解説します。

奴隷貿易

奴隷貿易とは、奴隷を商品としておこなう貿易のことです。16世紀から19世紀にかけて、特にアフリカ住民を対象にアメリカ大陸へ奴隷貿易がおこなわれました。数百万のアフリカ人が強制的に連れ去られて、残酷な労働を強いられました。

この歴史的な出来事が、現代の人種差別の根底にある多くの問題を生み出したとされています。

アパルトヘイト政策

アパルトヘイト政策は、1948年~1994年南アフリカ共和国でおこなわれた、白人が非白人(主に黒人、インド系)を法的に分離し、非白人に対する極端な差別を制度化したものです。たとえば、南アフリカのすべての市民を人種ごとに分類し、個人の人種に基づいて権利や義務が決められるなど、非白人の人々を社会のあらゆる面で差別しました。

アパルトヘイト政策は、非白人に対する残酷な人種隔離政策であり、人種差別の不当さと平等な社会の実現の重要性を示しています。

ホロコースト

ホロコーストは、1933年~1945年にナチス・ドイツによって起きたユダヤ人に対する大量虐殺のことを指します。ナチス・ドイツは、強制収容所を各地に設け、連行したユダヤ人に対して過酷な労働を強制しました。600万人以上のユダヤ人を大量殺害したことでも知られており、人種差別による恐ろしさを世界に知らしめました。

アフリカ系アメリカ人公民権運動

アフリカ系アメリカ人公民権運動は、1950年代から1960年代にかけて、アメリカ合衆国でおこなわれた、アフリカ系アメリカ人の人権と平等を求める社会運動です。目的は、人種差別をなくし、アフリカ系アメリカ人に対する公民権(投票権や教育の機会など)の平等を実現することでした。この運動により公民権法などは制定され、アフリカ系アメリカ人の生活は大きく改善され、他の差別撤廃運動にも大きな影響を与えました。

ロサンゼルス暴動

1992年ロサンゼルスで起きた大規模な暴動は、アフリカ系アメリカ人が白人警官4名によって過剰な暴力を受けた事件です。暴力を振るった警官4人の内3人が無罪、1人が審議未了となったこの判決に対して、怒りと不満が爆発し大きな暴動へと発展しました。

この事件は、単なる判決に対する反応ではなく、長年に渡る人種差別、経済的不平等などに対する多層的な怒りと不満を持つ多くの人々が声を上げ、社会全体に変革を求める動きが強まるきっかけになったのです。

人種差別をなくすためにできることは?

人種差別をなくすためには、歴史を学び、偏見のない教育を心がけることが重要です。ここでは、人種差別をなくすためにできることを3つ紹介します。

人種差別の歴史を知る

過去の出来事や政策を学ぶことは、現在の人種差別の問題を理解するための重要なステップです。積極的に講演会やセミナーに参加する、イベントなどの展示や資料を通じて学ぶことも有効でしょう。過去の歴史を知り、同じ過ちを繰り返さないようにすることができます。

自分の中にある偏見を意識する

誰しも、無意識のうちに抱えている偏見はあるはずです。まずは無意識にある偏見に気づき、認知することが大切です。また、異なる背景を持つ人々との交流の場を活用することで、さまざまな視点を持つことができます。

異文化交流会やイベントなどへ参加することによって、自身の思考のパターンを見直せるきっかけになるでしょう。

偏見のない教育を心がける

学校教育において、異なる文化や人種を尊重する内容のカリキュラムを組み込むことが重要です。また、教育する側が多様性や人種差別について十分な知識を持つことや、教員自身が日常的に生徒に対して公平であるよう、研修などを通して継続的にサポートすることも大切です。

人種差別など苦しむ人々を支援するには

人種差別などの社会的不平等に苦しむ人々を支援するために、個人としてできる具体的な方法を紹介します。

その方法とは、「不用品を寄付する」ことです。不用品が役に立つの?と思われる方もいるかもしれませんが、「不用=ごみ」だと思うようなものでも、世界に目を向けるとその不用品は大切な資源になるのです。

家庭で出た不用品を回収し、寄付する形で支援しているのが「キフコレ」というサービスです。キフコレで回収された不用品は、リサイクル・リユースに役立てられるほか、次の4つの社会貢献につながります。

  • 不用品をリユース・リサイクルすることでゴミを減らして、環境保全の支援
  • 送るたび、SNSでシェアするたびに100Lの水をきれいにする浄化剤の寄付
  • 途上国の雇用創出・自立支援
  • 国内障がい者の雇用促進・就労支援

キフコレの利用方法はとっても簡単。不用品を段ボールに詰めて、宅配業者各社の営業所やコンビニなどからキフコレ事務局宛てに送るだけ。送料のみの負担でそのほかにかかる費用は一切ありません。

※寄付できるものについてはこちらからご確認下さい。

不用品は、人種差別などに苦しむ人々を支援するために役立つ大切な資源です。ぜひ、あなたの身の回りで出た不用品を寄付してみませんか?

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