アフリカの飢餓は何が原因?その理由と深刻な地域を紹介
この世界はさまざまな問題を抱えていますが、飢餓に関しても深刻な状況です。特にアフリカでは多くの人々が飢餓に苦しみ、それが原因で亡くなる子どもも少なくありません。
それでは、アフリカの飢餓は何が原因で起こってしまうのでしょうか。アフリカの飢餓に関する現状と原因をご紹介します。
飢餓が続くアフリカの現状とは
飢餓とは、長期間にわたって十分に食べられず、栄養不足になり、生存や社会的な活動が困難になる状況を指します。
国連世界食糧計画(WFP)は、世界には最大で7億8,300万人の人々が飢餓に苦しみ、極めて危険な状況が続いていると発表。特にブルキナファソ、南スーダン、ソマリア、マリといったアフリカの国では少なくとも12万9,000人が飢餓に苦しみ、支援を必要としています。
アフリカはアジアと並んで飢餓人口が多く、貧困が集中している地域です。しかも、アフリカの飢餓人口は改善される様子がなく、悪化が見られる地域も少なくありません。
これは、支援が足りないとった単純な問題ではなく、複雑な状況や環境が絡んでいます。アフリカの飢餓はなぜこれまで深刻で、改善されないのでしょうか。
アフリカの飢餓は何が原因?
アフリカで飢餓が起こる原因は、ただの食糧不足ではありません。紛争や気候変動、農業に関する技術不足などさまざまな環境が絡み合っています。飢餓の原因をもう少し詳しく見てみましょう。
紛争・内戦と政治不安
アフリカは紛争と内戦が頻発している地域です。これには民族と宗教、冷戦時代の名残、資源確保の争いなどが関係しています。
紛争や内戦が起こってしまうと、その地域に住んでいる人々は農地を捨てて逃げださなければなりません。さらに、物資を安全に輸送することも難しいため、食糧も行き渡らなくなり、飢餓が蔓延してしまうのです。
気候変動と自然災害
世界中で起こっている気候変動や自然災害は、アフリカの飢餓に大きく影響しています。なぜなら、アフリカでは農業で生計を立てている人が多く、天候によって食料の確保も変わってくるからです。
乾燥や洪水、サイクロンといった現象は、アフリカの農村に不作を招いてしまいます。すると、当然食料の確保が難しくなり、飢餓を加速させてしまうのです。
貧困と技術不足
アフリカは紛争・内戦や気候変動の影響も関わって、貧困状態から抜け出せずにいます。そのため、技術や食料を購入するために十分な収入がない状態がほとんどです。
新しい技術が取り入れられないと農業も効率的に生産できません。もちろん、食料を輸入することも難しく、飢餓の状態から抜け出せなくなってしまいます。
飢餓が深刻なアフリカの国はどこ?
アフリカでも貧困や飢餓の度合いは地域によって差があります。ここでは、アフリカの中でも飢餓が深刻だとされる地域を紹介します。
ブルキナファソ
ブルキナファソは厳しい乾燥地帯にある国ですが、国民の大半が自給自足の小規模農家です。しかも、農業のスタイルは雨水に頼るところが大きく、異常気象による干ばつ、降水量が不安定になってしまうと、生産性は低くなってしまいます。
また、政府に対する不信感から紛争が発生しがちな地域でもあり、慢性的な貧困と飢餓が現地の人々を苦しめている状況でもあります。
南スーダン
南スーダンは2011年にスーダン共和国の南部10州が独立分離した国ですが、それ以前から宗教の違いによって争いが続いています。そのため、紛争による政治不安が起こり、食糧生産も妨げられている状態です。
総合的食料安全保障レベル分類(IPC:Integrated Food Security Phase Classification)の報告によると、南スーダンは2023年4月から7月に人口の約3分の2にあたる776万人が急性食料不安に陥ると示されました。
ソマリア
ソマリアでは、1991年に勃発した内戦によって国土は分断され、事実上の無政府状態が続いています。それに加え、干ばつが頻繁に起こる地域でもあり、2011年にはそれが原因で多くの命が奪われました。2016~17年、2021~22年も深刻な干ばつに襲われ、ソマリアでは極度の食料危機に陥った状態が続いています。
飢餓に苦しむアフリカのような地域を支援するには
このように、アフリカで起こっている飢餓は、紛争や気候変動、不安定な政治経済の問題が絡み合っていることが分かります。また、飢餓に苦しむ国はアフリカだけでなく、世界中に存在していることをご存じでしょうか。
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