SDGsウォッシュとは?企業に与える影響や注意点を解説

2015年に国際的な目標として設定されたSDGs。世界的な活動として関心が高まるなか、企業でもSDGsへの取り組む姿勢が重要視されるようになりました。その一方で、SDGsに取り組んでいるように見せかけて実態がともなっていない「SDGsウォッシュ」という行為が問題視されています。
今回は、世界的に規制が厳しくなっているSDGsウォッシュについて、基本的な意味や企業に与える影響、回避方法などを簡単にご紹介します。
SDGsウォッシュとは?意味や語源を解説
SDGsウォッシュとは、SDGsへの貢献を表明しているにもかかわらず、実態がともなっていない状況(ビジネス)を指す言葉です。SDGsウォッシュの「ウォッシュ」は、ごまかす・うわべを取り繕う・粉飾するなどの意味を持つホワイトウォッシュ(whitewash)に由来しています。
SDGsウォッシュの語源は、「グリーンウォッシュ(Greenwashing)」であると言われています。環境に配慮した企業活動をアピールしておきながら、実際は地球環境に大きな負荷をかけている企業を指す言葉で、1980年代に生まれました。これから派生したのがSDGsウォッシュで、SDGsを単なる企業のアピール材料として利用し、
- SDGsに貢献しているように見せかける
- SDGsへの取り組みを実際よりも誇張している
- 企業に都合のよい情報だけを伝える
などを批判する言葉として使われます。
SDGsウォッシュが企業に与える影響は?
SDGsウォッシュが指摘されると、企業にはさまざまな悪影響が生まれます。具体例を3つご紹介します。
企業イメージがダウンする
SDGsウォッシュが指摘された企業は、世間から批判を受けて企業イメージがダウンします。利益のために嘘の活動を発信する企業と見なされる他、SDGs 活動を応援しようと商品を購入した消費者の怒りを買うことになります。SNSやメディアでは、SDGsウォッシュを行った企業として炎上し、商品に対する不買運動が起こる恐れも。一度失った信頼は取り戻すことが難しく、企業活動に支障が出ることもあるでしょう。
投資家や株主からの信頼も落ちてしまう
近年では、長期的な成長を見込んだESG投資(環境・社会・企業統治に配慮のある企業に投資する手法)が注目されており、投資家や株主も企業のSDGs活動に注目しています。そのため SDGsウォッシュが指摘されると投資家や株主からの信頼度は一気に低下し、株価の下落を引き起こします。新たな投資先も見つけにくく、資金源の確保が難しくなって経営面へ多大な悪影響を及ぼします。
従業員のモチベーションが低下する
SDGsウォッシュは、その企業で働く従業員にも悪影響を及ぼします。投資家や株主から見放されたり、炎上騒ぎが起こったりすることで従業員たちは会社の価値が下がったと感じてしまうからです。
また、自社ブランドへの誇りや愛着も消えてしまうでしょう。その結果、従業員のモチベーションが低下して成果を出せなくなったり、退職したりする恐れがあります。
企業がSDGsウォッシュを防止するためには?
SDGsウォッシュに関する法律やガイドラインは特になく、あくまで消費者や社会の目により判断されます。そのため企業側に悪意や自覚がなくても、SDGsウォッシュを指摘され炎上騒ぎになることも。ここでは、SDGsウォッシュを防止するための3つのポイントをご紹介します。
SDGsに対する理解を深める
まずはSDGsに関する本質的かつ幅広い知識を身につけましょう。 SDGsに対する理解が不足していると、例えば次のようなSDGsウォッシュに陥る恐れがあります。
- 1つの目標にのみ注力し、他の目標を無視する
(例)オーガニック製品をアピールしていた企業が、人権を無視した取引先と提携する - 事業内容や投資先に矛盾が生じる
(例)脱炭素社会に貢献している企業が、炭火力発電事業へ融資を行う - 表面的な取り組みになる
(例)既存の事業活動とSDGsをただ結びつけて「SDGsに取り組んでいる」とアピールする
SDGsウォッシュを回避するためには、自社に関連する目標以外についても幅広く理解し、さまざまな角度から企業活動を見つめなおす必要があります。また、ステークホルダー(消費者・投資家・株主など)の意見や第三者機関の評価を取り入れたり、過去の事例などを参考にして判断力を身につけたりすることも大切です。
サプライチェーンの管理と把握
サプライチェーンとは、生産・流通における一連の流れを指します。SDGsウォッシュを防止するためには、自社だけでなくサプライチェーン全体を把握して管理することが重要です。昨今では、取引先企業(下請事業者)の問題に対しても、発注元(親事業者)としての責任が求められるためです。
例えば途上国に見られる下請け工場の劣悪な労働環境は、人権問題としてたびたび世界的な話題となっています。いくら企業としてSDGsに取り組んでいても、サプライチェーンを無視すれば、消費者からは「人権問題の根本解決を行っていない」と見なされて批判を受ける可能性があるのです。
取り組みを適切に発信する
SDGsウォッシュを防止するには、その取り組みを適切に伝えることが大切です。消費者や世間に誤解を与えないためにも、広告やパッケージデザインを作成する際には、以下のようはものに使わないようにしましょう。
- 根拠のない表現
- 誇張表現
- あいまいな言葉
- 事実と関係性の低いデザイン
また、自社にとって都合のよい情報だけを発信していると、逆に消費者からの信頼を損ねる場合があります。ネガティブな情報でも事実を歪めず、正確に発信することが大切です。
SDGsの取り組みを支援するサービス
企業がSDGsに取り組むことには、さまざまなメリットがあります。しかしその一方で、SDGsウォッシュに陥るリスクもともないます。SDGsウォッシュを回避するためには、SDGsの理念を正しく理解し本質的な取り組みを行うことが重要です。
そのような取り組みを支援するために、「キフコレ」という寄付サービスをご紹介します。キフコレでは不用品をリユース・リサイクルするだけでなく、途上国で修理・販売することで新たな雇用を生み出し、売り上げの一部を水浄化剤に変えて途上国に寄付しています。
そのため上記のような4つの社会貢献ができるほか、多くのSDGs目標に貢献できるサービスとなっています。
キフコレの利用方法はとても簡単です。不用品を段ボールに詰めて、宅配業者各社の営業所やコンビニなどからキフコレ事務局宛てに送るだけ。全国対応で送料以外の費用は一切かかりません。
※寄付できるものについてはこちらからご確認ください。
また、企業様にご利用いただいた場合は、寄付後に感謝状・レポートが発行されるため広報にそのまま活用できるなど企業様にとって多くのメリットをご提供しています。SDGsに取り組みたい・SDGsウォッシュを回避したいとお考えの企業様は、ぜひ一度キフコレをお試しください。