フェアトレードとは?公正な貿易が必要な理由を簡単解説

スーパーなどで見かけるようになったフェアトレード商品。見聞きしたことはあっても、その意味や目的を詳しく知っている方は多くないかもしれません。今回は、フェアトレードについて、その意味や必要性、商品の見分け方やSDGsとの関係などを簡単に解説していきます。
フェアトレードとは?簡単に解説
まずは意味や見分け方、対象商品例などフェアトレードの概要についてご紹介します。
フェアトレードの意味
フェアトレード(Fair Trade)は直訳すると「公平・公正な貿易」で、途上国の原料・製品を正当な価格で継続的に購入し、生産者・労働者の生活を支援する仕組みのことを指します。
そもそも貿易は、輸出入国の両者にとって利益が生じるものであるはずです。しかし16世紀以降の植民地時代の影響や、第二次世界大戦後の途上国と先進国の経済格差により、売り手(途上国)にとって不利益な貿易が続いていました。
このような状況下では、途上国はいつまでたっても貧困から抜け出せません。そこで1970年代以降、途上国の人々を適切な貿易で支援する動きが本格化。現在ではSDGsの取り組みとしても注目される活動となっており、フェアトレードを掲げる組織・団体は世界中に複数存在しています。
フェアトレードの認証マーク
フェアトレード商品の多くには、消費者にわかりやすいよう認証マークがついています。フェアトレード認証マークには、主に次の3種類があります。
- 国際フェアトレード認証ラベル
- 世界フェアトレード(WFTO)認証ラベル
- 各企業・団体独自のフェアトレード認証ラベル
それぞれの内容と違いをご紹介します。
国際フェアトレード認証ラベル
国際フェアトレード基準を満たす製品であると証明するラベルです。国際フェアトレード基準とは、国際フェアトレードラベル機構(1997年設立)が設けた基準で経済的・社会的・環境的基準の3本柱で成り立っています。
経済的基準 | 社会的基準 | 環境的基準 |
・フェアトレード最低価格の保証 ・フェアトレード・プレミアム(※)の支払い ・長期的な安定取引 ・前払い など |
・安全な労働環境 ・民主的な運営 ・労働者の人権 ・児童労働・強制労働の禁止 など |
・農薬・薬品の使用規定 ・有機栽培の奨励 ・土壌・水源・生物多様性の保全 ・遺伝子組み換え禁止 など |
※商品代金とは別に支払う地域開発資金(生産者地域の経済的・社会的開発のために利用される)
認証を受けた製品は、原料生産から輸出入・加工・製造の各工程で基準を満たしているかを第三者機関により定期的に監査されます。
世界フェアトレード(WFTO)認証ラベル
フェアトレード団体の国際的ネットワーク機関WFTO(世界フェアトレード機関)の加盟団体(企業含む)であることを証明するラベルです。WFTOの10の指針を満たした世界70か国以上、355団体が加盟しています(2023年3月時点)。製品ごとではなく企業(団体)活動に対する認証のため、その企業の製品はすべて「フェアトレード基準を満たしている」ということができます。
その他のフェアトレード認証ラベル
各企業・団体・国などが独自で決めたフェアトレード基準を満たしていることを示すラベルです。フェアトレードの基準・条件を定めた法律は存在しません。そのため独自のフェアトレード基準を導入している企業も多数存在します。基準があいまいな場合もあれば、国際フェアトレード基準より厳しい場合もあり、バラツキがあるのが現状です。
フェアトレードの対象例
フェアトレード商品には、どのようなものがあるのでしょうか。国際フェアトレード認証の対象となる商品例をご紹介します。
食品 | コーヒー、紅茶、カカオ(チョコレート)、はちみつ、サトウキビ糖(砂糖・アイスクリーム)、穀類(キヌア・米)、野菜、オイルシード・脂質果実(大豆・ごま・シアバター・オリーブオイル)、ワイン、加工果物(ジュース・ドライフルーツ)、生鮮果実(バナナなど)、スパイス・ハーブ(コショウ・シナモンなど)、ナッツ など |
食品以外 | スポーツボール、切り花・観葉植物、コットン、化粧品、みつろう(クレヨン・キャンドル)、金・銀 など |
フェアトレードが必要される理由
フェアトレードの必要性が世界で叫ばれるようになったのはなぜか、その背景をご紹介します。
劣悪な労働環境
途上国にとって不利益な貿易(安価な買い取り)が続いた結果、途上国の労働者は安価な賃金・管理不十分な施設での長時間労働を強いられます。また、家計を助けるために子どもたちも働かなければならず、十分な教育を受けられません。そのため、将来の選択肢が狭くなったり、優秀な人材が育たなかったりして貧困の連鎖が続きます。
フェアトレードでは、児童労働・強制労働の禁止や安全性基準を適用し、劣悪な環境から労働者を救う仕組みを設けています。
環境問題
不平等な貿易は、環境問題も引き起こしています。途上国では、より安く多くの農作物を生産するために安価な農薬を必要以上に使用します。その結果、土地がやせて環境に悪影響を及ぼします。
フェアトレードでは、農薬の使用制限や有機栽培の推奨、環境や生物多様性の保全を基準に設定し、持続可能な農業や環境保護にも積極的に取り組んでいます。
SDGsの達成
フェアトレードは、SDGsの目標達成にも大きく貢献できます。SDGsとは2015年に国連サミットで採択された世界共通の17目標で、フェアトレードはそのなかの目標1「貧困をなくそう」、目標2「飢餓をゼロに」、目標8「働きがいも経済成長も」に深く関係しているためです。
フェアトレードで公平かつ安定した貿易が実現されれば、輸出国(途上国)における多くの貧困者を救うことができます。また、持続可能な食料生産の仕組みと収入安定により、飢餓の減少にも貢献できます。さらに、労働環境が整備され児童労働がなくなれば、働きがいも生まれます。
このように、フェアトレードは途上国における多くの問題解決やSDGsの目標達成に大きく貢献できるのです。
フェアトレードを必要とする人々を支えるには
フェアトレードは世界各地に存在する、貧困に苦しむ人々を支えるきっかけとなる仕組みです。私たち消費者がフェアトレードを意識するだけでも、誰かを救える可能性があるかもしれません。
また、昨今では途上国や貧困に悩まされる人々を支援するためのサービスも増加しています。例えば、不用品の寄付サービス「キフコレ」もその1つです。
キフコレは生活雑貨や家電といった不用品を段ボールに詰めて、宅配業者各社の営業所やコンビニなどから指定の住所に送るだけで、途上国の支援や環境保全につながるというサービスを展開しています。キフコレを利用することで発生する支援は以下の通りです。
- 不用品をリユース・リサイクルすることでゴミを減らして、環境保全の支援
- 送るたび、SNSでシェアするたびに100Lの水をきれいにする浄化剤の寄付
- 途上国の雇用創出・自立支援
- 国内障がい者の雇用促進・就労支援
そして、キフコレは企業や団体の在庫整理・SDGsの取り組みを支援しています。フェアトレードのようなSDGsに関連する取り組みは、今後の企業活動において非常に重要な動きと言えるでしょう。キフコレを通して社会に貢献しつつ、廃棄物を削減する機会がないか、ぜひ検討してみてください。
在庫整理や備品を寄付して社会貢献
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