電子ゴミの問題とは?リサイクル事情や健康被害を解説
近年、電子ゴミと呼ばれる廃棄物が増加し、問題になっています。
なぜなら、ただ廃棄量が増えているだけではなく、電子ゴミは貴重な資源になる可能性があり、リサイクルが必要だからです。また、電子ゴミによる健康被害も問題視され、世界的に対策が求められています。これら電子ゴミの問題をご紹介します。
電子ゴミとは?対象となる品目
それでは、電子ゴミとはどのような廃棄物を指すのでしょうか。電子ゴミの概要からご紹介します。
大量に廃棄される電子ゴミ
電子ゴミは「E-waste」と呼ばれ、電気製品や電子製品、家電製品といった廃棄物のことを指します。2019年、循環経済加速化プラットフォーム(PACE)の報告書によると、電子ゴミは年間約5,000万トンも廃棄されていると発表されました。その中でリサイクルされる電子ゴミはたったの2割となり、貴重な資源が再循環することなく、ただ廃棄されている状態となっています。
また、2050年になると年間排出量は1億2,000万トンになると指摘され、電子ゴミの問題は深刻化するだろうと考えられているのです。
電子ゴミとなる品目
電子ゴミは具体的にどのようなものが該当するのでしょうか。電子ゴミとなる品目の例は以下の通りです。
・パソコン
・スマートフォン
・エアコン
・テレビ
・洗濯機
・冷蔵庫
・照明器具
・ゲーム機
・電子玩具
これらは一部でしかありませんが、私たちの身の回りにあるものばかりだと言えるでしょう。
電子ゴミは資源となる可能性が
電子ゴミは、廃棄されてしまうことで、大きな損失が発生することになります。なぜなら、電子ゴミの中には銅や金、アルミニウムといった価値のある素材が含まれているからです。すべての電子ゴミの価値は6兆円を超えると言われ、それは多くの国の国内総生産を上回るほどの額となります。
電子ゴミの行方は?途上国で健康被害
電子ゴミの問題は、経済的な損失だけではありません。電子ゴミには、鉛や水銀、カドミウムといった有害物質が含まれています。
そのため、電子ゴミが集中してしまい、処理が難しくなってしまった場合、周辺の人々が大変な健康被害を及ぼす恐れがあるのです。実際、先進国で使われた電子ゴミの多くは、途上国へ行き着き、そこにいる人々の健康を害してしまう例があります。
しかも、途上国の人々の中には、電子ゴミの中から金属を回収するために、廃棄物の山を歩き回る人もいます。彼らは金属回収のために、電子ゴミを叩き割り、火をつけて燃やすことで、発生した有毒ガスを吸ってしまいます。それでも、生活のためにこのような仕事を続けなければなりません。
この問題を解決するため、1989年にバーゼル条約が制定されていますが、大きな改善は見られず、解決には至っていません。
各国の電子ゴミの対策
電子ゴミの問題を軽減するため、国連を始めとして、さまざまな対策が行われています。
日本では、廃棄物処理法や家電リサイクル法、小型家電リサイクル法といった法律が定められています。家電リサイクル法は、エアコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機という家電4品目のリサイクルと廃棄削減を推進するもの。小型家電リサイクル法は、 スマートフォンやゲーム機、デジタルカメラなど、小型家電に含まれる金属資源を回収するためのものです。
リサイクルの先進国といえるEU(欧州連合)では「WEEE指令」があります。2003年に公布された「WEEE指令」は、電子機器・電気製品を製造した加盟国・生産者に、回収やリサイクルシステムの構築、費用負担を義務付けるものです。
他にもEUは、2021年にスマートフォンのような電子機器を充電するために利用する充電器の端子を「USB-C」に統一する法案も発表されています。
電子ゴミを捨てる前に寄付を検討してみよう
私たちは、少なからず電子ゴミを捨ててしまう機会があります。しかし、それを軽減する手段は存在するはずです。
その1つが電子ゴミとなるものを寄付する、という方法です。寄付を受け付けるサービスは数多く存在します、キフコレならリサイクルやリユースによって廃棄物を削減するだけでなく、4つの社会貢献につながる取り組みを行っています。4つの社会貢献とは、売上の一部で購入した水浄化剤を途上国に寄付、途上国の自立支援、障がい者の雇用創出、環境保全です。
電子機器や家電の処分で困っている。大切にしているものをただ捨ててしまうことはもったいない気がする。そんなときは、ぜひキフコレまで寄付することをご検討ください。