ボールの歴史とは?作られた経緯や有名球技の誕生を解説
多種多様なスポーツ競技の中でも、ボールを使う球技は数多く存在し、人気の高いものばかりです。そういったスポーツの中で、ボールは当然のように使われていますが、どのような歴史を持っているのでしょうか。
ボールの歴史をたどってみましょう。また、ボールを使ったスポーツの歴史についても解説します。
ボールの歴史とは?
ボールを用いた遊びは古くから自然に行われていた、と考えられています。大昔のボールは、羊毛や髪の毛といった繊維を布、革の袋に詰めた重いものでした。
古代ローマでは、球技ごとに異なるボールを用いて、中に羽毛を詰めたもの、中に砂を詰めたもの、空気で膨らませたものが存在しています。ただ、空気で膨らませたボールは動物の腸を素材としていたことから、完全な球形ではありませんでした。
中国の蹴鞠は戦国時代より、軍事訓練として始められ、漢代以後チーム対抗球技として発展。唐代はより弾むように羽を詰めたものから、動物の膀胱に空気を入れたものへ改良されましたが、やがて風俗の退廃などを理由に禁止令が出てしまい、消滅してしまいます。
日本の蹴鞠で使われていた鞠は鹿の皮を用いてしましたが、蹴鞠が伝わった東南アジアでは籐で編んだ籠状の鞠が使われ、現在のセパタクローに発展しました。
歴史あるスポーツのボール
もう少しボールの歴史を理解するためにも、有名な競技の歴史をたどってみましょう。
野球ボール
先史時代、野球のボールと同じくらいの大きさの石が、人々に使用されていたことが確認されています。これは何か動物を仕留めるために使われていたと考えられますが、命中率と威力を兼ね備えた武器を求めた結果、野球ボールと同じ大きさのものが適している、という結論に至ったと考えられています。
12世紀ころ、フランスで「ラ・シュール」というあらゆる球技の原型とされるスポーツが誕生しました。これがイギリスに渡って「ストリート・フットボール」となりますが、ボールは牛・豚の直腸や膀胱が使われています。
ただ、ストリート・フットボールは、牛や豚を殺さないとボールが作れなかったため、石に草の茎や糸を巻き付けるだけの簡単なボールが使われるスポーツが次々と誕生しました。その1つが「ラウンダーズ」です。ここでは小石を詰めた靴下などがボールとして使われ、後にルールが変化して「タウン・ボール」という野球の原型となります。
初のメジャーリーグは、1876年にナショナルリーグの発足によるものですが、それよりも先に野球チームは存在し、初の本格的野球チーム、ニューヨーク・ニッカーボッカーズは、自分達でボールを縫っていました。そして、メジャーリーグベースボール(MLB)の公式球は1878年から1976年まではスポルディング社が、1977年からはローリングス社が独占供給しています。
サッカーボール
南米ではアマゾンの熱帯雨林から天然ゴムが採取できていたため、早くからボールを蹴る競技が行われていました。古代エジプトや古代ギリシア、古代ローマから足でボールを蹴る人物のレリーフも発見されています。11~15世紀の間に、フランスでラ・シュール、イタリアでカルチョが誕生。この2つはサッカーの原型と言われています。
これらがイギリスに伝わるとフットボールとしてルールが改良されました。ボールの素材は、豚の膀胱を膨らませ、それを革で包んでいましたが、1836年にゴムが発明されたことで、1855年に最初のサッカーボールが登場します。
バスケットボール
バスケットボールが誕生したとき、専用のボールは存在せず、サッカーボールを利用していました。しかし、サッカーボールは弾まなかったため、専用のボールが必要とされます。
バスケットの専用ボールが登場したのは1894年のこと。アメリカの自動車製造会社が専用のボールを開発。8枚のパネルを組み合わせたデザインもこの時点で確立していました。その後、ボールは改良され、ゴム製や革製など現在の形になります。
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