木彫りの熊はなぜ人気?その魅力や広まった歴史を解説

実家やおばあちゃんの家など、なぜか木彫りの熊が置かれていなかったでしょうか。

木彫りの熊はかつて大変な人気があり、一時期は一家に一体あったとか、なかったとか……。

では、木彫りの熊はなぜ人気があったのでしょうか。木彫りの熊の歴史と魅力をご紹介します。

木彫りの熊はなぜ人気?歴史をたどる

木彫りの熊はなぜ人気があったのでしょうか。その歴史をたどりながら、人気の理由を探ってみましょう。

木彫りの熊はアイヌ発祥ではなかった?

まず、木彫りの熊はどこが発祥なのでしょうか。

木彫りの熊は北海道のお土産として見られることが多く、アイヌの伝統工芸というイメージを持たれる方も少なくないはずです。

しかし、木彫りの熊はアイヌ発祥ではありません。

アイヌの文化では「精巧に象られたものは魂を持って悪さをする」という考えがあり、動植物や人物を木彫りはもちろん絵画として描くこともなかったのです。

また、ヒグマはアイヌ文化では、高位の霊的存在であるカムイとされていたため、リアルな姿で木に彫りこむようなことも、ありませんでした。

ただ、北海道の遺跡から熊の形をした遺物が出土しています。そのため、時代によってはアイヌ文化においても儀式の際に熊やシャチの姿を彫り込んでいたと考えられています。

冬の収入源として生産が始まる

現在知られる木彫りの熊の発祥は、尾張徳川家の当主だった徳川義親が、1921年から1922年にかけてヨーロッパへ旅行に行った際、スイスで購入した熊の木彫りだと言われています。

1923年、義親は北海道二海郡八雲町にある、旧尾張藩士たちが入植した農場「徳川農場」へ、この木彫りの熊を送り、農場で働く農民たちや付近のアイヌに、冬期の収入源として生産してみては、と提案。

さらに、1924年に開催された第1回八雲農村美術工芸品評会に北海道で最初に作られた熊の木彫りが出品され、1927年には展覧会で入賞して秩父宮雍仁親王に献上されます。

そして、1928年には八雲の開墾50周年を記念して熊彫展覧会が開かれるなど、次第に多くの人に知られ、昭和初期は年間5,000体も生産されるようになりました。

観光ブームで人気絶頂に

次第に認知度を広めた木彫りの熊ですが、さらに多くの人に知られるきっかけが訪れます。

それが、1960年の北海道観光ブームです。

大きなリュックを背負う旅行者の姿が、カニに似ているとして「カニ族」という言葉が生まれるほど、当時は観光がブームでした。

その結果、北海道へ出かけた旅行者たちがお土産として、木彫りの熊を購入。多くの家庭で木彫りの熊が見られるようになりました。

木彫りの熊の人気が再熱?再注目される魅力

非常に人気があった木彫りの熊ですが、徐々に衰退してしまい、八雲町の生産者は2012年の時点で一人のみとなりました。

しかし、ここ数年で木彫りの熊が注目されています。

木彫りの熊を並べたイベントには8,000人以上が集まり、ネットオークションで高額で取引されることも。

この再ブーム到来の原因は、さまざまな要因があると思われますが、中でもSNSの存在が大きいと考えられています。

昭和レトロを愛する人々を中心に、木彫りの熊に関係するハッシュタグがつけられた投稿が増え、関心が高まったのです。

また、その魅力は日本国内だけでなく、アジア諸国や欧州にも届き始めています。

もしかしたら、一家に一体の熊が置かれる日が再びやってくるかもしれませんね。

木彫りの熊が人気でも処分したい場合は

今後、さらに注目されるかもしれない木彫りの熊ですが、部屋の雰囲気に合わない、スペースを確保したい、という理由で処分を検討することもあるでしょう。

しかし、せっかくの木彫りの熊をただごみとして処分してしまうことは「もったいない」ことです。

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