アンプの役割とは？スピーカーとの関係と種類別の使われ方

schedule 2023.3.7

オーディオ機器でよく耳にする「アンプ」とは、どのような役割を持つものなのでしょうか。スピーカーとよく混同されますが、その役割には明確な違いがあります。

本記事では、オーディオ初心者向けにアンプの役割と機能、アンプとスピーカーを介す音声再生のしくみについて簡単に解説します。

アンプとは？なぜ必要なの？

まずは、アンプの役割と機能について見ていきましょう。

アンプの役割

アンプとは英語のamplifier(アンプリファイア)略で、増幅器という意味です。アンプにはプレーヤーがCDやLPなどの音源から読み取った音の信号を増幅し、スピーカーへ送る役割があります。

プレーヤーが出力できる音の信号はとても小さく、そのままではスピーカーから大きな音を出したり、音のバランスを調節したりすることができません。アンプを利用すればプレーヤーが読み取った音の信号を増幅できるため、好みの音量や音質の音声をスピーカーから流せるようになります。

アンプで操作できるもの

アンプで操作できるものは音量だけではありません。音質や音のバランスも調節することができます。例えば、高音域の音を目立たせ華やかな雰囲気にしたり、低音域の音を目立たせて渋い雰囲気を出したり、左右のスピーカーから出る音の偏りを修正したりするなど、好みの音やバランスに調整できます。

このようにアンプは音量や音質、音のバランスを自在に操れるため、より音楽を楽しむためには欠かせないオーディオ機器の1つなのです。

アンプの種類とは？役割と違い

音源の種類や信号強度、利用目的によって、利用するアンプは異なります。ここでは5つのアンプの役割と違いについて解説します。

コントロールアンプ

コントロールアンプとは、パワーアンプへ音の信号を送る前に使用するアンプです。別名プリアンプとも呼ばれています。

音源から出た音の信号は、コントロールアンプ→パワーアンプ→スピーカーの順に送られ、音楽を再生します。マイクやエレキギターのように音源が微小なアナログ信号の場合、パワーアンプでは利用できないため、コントロールアンプを利用します。

コントロールアンプはアナログ信号を増幅させ、パワーアンプへ送れるレベルにまでコントロールする役割を担っています。また、音質の調整や左右のスピーカーの音量バランスの調整、入力の切り替えなどを行うこともできます。

パワーアンプ

パワーアンプは、コントロールアンプやミキサーからの信号をスピーカーで利用できるレベルになるまで増幅させ、スピーカーへ送るアンプです。

後述するように、コントロールアンプとパワーアンプを一体化したプリメインアンプが存在しますが、これらを別々に利用する理由としては、より音質を追求できること、相互のノイズ干渉を極力減らせる、といったメリットがあります。

プリメインアンプ

プリメインアンプとは、コントロールアンプ(プリアンプ)とパワーアンプの機能を1つにまとめたアンプです。コントロールアンプとパワーアンプを個別で利用することが難しいオーディオ初心者向けのアンプで、コストと設置面積を抑えられるメリットがあります。

しかし、プリメインアンプにはコントロールアンプとパワーアンプの各機能を生かしにくいというデメリットがあります。

デジタルアンプ

以前のアンプはアナログアンプが主流でしたが、増幅効率が良いというメリットにより、デジタルアンプが普及しています。

アナログアンプはアナログ信号の波形を崩さないよう忠実に増幅します。しかしこの方法では増幅効率が悪く、発熱しやすい・電力消費が多いなどのデメリットがありました。

一方でデジタルアンプは、アナログ信号をデジタル信号に変換してから増幅し、再びアナログ信号に変換する方法を取っています。この方法は信号の増幅効率がよく、低発熱・低消費電力である点がメリットです。低発熱であることから放熱装置の必要がなく、サイズがコンパクトに。コンポや携帯プレーヤーなどにも用いられるようになりました。

AVアンプ

AVアンプの機能は、ミニコンポやオーディオシステムで使用するステレオアンプのように音を増幅するだけではありません。映画やドラマ、ライブなどの映像と音声の処理を同時に行い、複数のスピーカーへ出力できます。そのため、まるで映像の世界に入り込んだかのような臨場感を味わえるのです。

ステレオアンプは左右2つのスピーカーへ音声を送りますが、AVアンプは5.1チャンネル再生の場合、5台のスピーカー+サブウーハーの合計6台のスピーカーへ音声を出力させることができます。

不用になったアンプが社会貢献に

本記事でご覧いただいたとおり、アンプは音質にこだわりを持つ方、BGMを流す店舗にとっては、なくてはならないオーディオ機器の1つです。

しかし、音楽再生にそこまでのこだわりを持たない方にとっては、家にあっても宝の持ち腐れになるばかりか、収納スペースを狭くする原因になります。

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